:::じぇりーびーんず:::
甘いジェリービーンズのたくさん詰まっていた大きなビン。
蓋を取れば中から甘い香りがしてきて、
初め、このビンを手にしたときの喜びを今も覚えている。
まだ、わからなかった。
ビンにいっぱい詰まったビーンズの甘い香りが
未来の僕にこんな思いをさせる
大切なモノを失った僕にこんな思いをさせる。
初め、ビンに詰まったジェリービーンズに心惹かれ
ほしい、と思った時は誰かを必要とした時でした。
たくさん詰まっているビーンズを1つ・・・また1つと口に運んだ時は
彼女のことを1つ、知っていく時でした。
僕のことを1つ、知ってもらえた時でした。
ビンの中のビーンズが半分になりかけた時は
ちょうど僕達が、相手を1番思っていたときでした。
ビンの中のビーンズがちょうど半分になった時は
2人が喧嘩ばかりしている時でした。
そして、ビンの中のビーンズが「もう無くなる」と思った時は
別れの予感がした時でした。
ついに、ビンの中のビーンズが数えられる程しか残らなくなった時は
丁度、別れを告げられる前の日でした。
そして彼女は、僕の元から去っていきました
ビンの中には蒼いジェリービーンズが1つ残っていました。
大きなビンの中に1つだけあるそれが
とても大切に思えてしまった時、
忘れていた彼女への思いが甦りました。
最後に蒼いビーンズを口に運ぶ時、少し躊躇いました。
でも結局、それを口にしました。
彼女との甘い記憶が広がっていく時でした
かつて甘い甘いジェリービーンズの入っていたビンは
今でもまだ、ここにある
蓋を開けた時にわずかに香る甘い匂い
正体は・・・
それは・・・愛でした
紛れも無い、彼女への愛でした
全て呑みこんだ後の満足感は
彼女からもらった、愛の幸福感でした
今もまだここにあるビンは
彼女への未練でした
こころに蓋をしても、このビンのように開けられると思っているのは
まだ、若かりし頃の僕でした
ビンの蓋を開けて、甘い香りが残っていても
初めの頃にあったビーンズは戻ってこないと気付いたのは
今、この思いを切々と書き綴っている僕です
今の僕にこんな思いをさせているのは
幼き日にビーンズをホシイと思った無垢な僕でした
だから・・・たくさんあるビーンズでも、大切に
1つずつ
思いやりを持って口にしなくてはいけないのです
それはすべて、大きなビンからビーンズがなくなった後の空腹感のため
大切なモノを失ったあとの喪失感のため
大切だった・・・アナタのため
明日もいつものように生きなければならない
僕のため